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※この物語はうみねこのなく頃に本編とも黄金夢想曲ともベアトリーチェの庭園物語とも別のカケラ世界の話になります。

                    ゆるゆる黄金夢想物語☆くろす
    


カーテンの隙間から朝日が差し込みチュンチュンという鳥の鳴き声が聞こえる涼しく気持ちの良い朝だった、そんな朝になり響くのはジリジリジリというやかましい目覚まし時計の音。
 「……う〜〜〜ん…………!!!!?」
 右代宮縁寿はガバッ!と勢いよく飛び起きると目覚まし時計のスイッチを切り、そして乱暴にパジャマを脱ぐと慌てた様子で私服に着替え部屋を飛び出していく。
 朝食のために台所へ寄る事もせずまっすぐに玄関へ向かう家を飛び出すと全速力で駆ける、走って数十分の距離を息を切らしながら、それでも全速力で走りそして目的地までの最後の曲がり角を曲がった……。

 「残〜念でしたぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜☆」

 「うきぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっっっ!!!!?」

 しかし一歩遅かった、そこには身支度を済ませた縁寿の兄――右代宮戦人が魔女ベアトリーチェと出掛ける所だったのである。
 「……縁寿か? 悪いな今日はベアトとバトルしてくるぜ」
 「お兄ちゃぁぁぁああああああああああんっ!!!!」
 恨めしそうに戦人を睨む縁寿だが当の本人は先にベアトが誘いに来たから彼女と行くのだろうぐらいにしか思ってないのが表情から見てとれる、それだけに妹としては余計に腹立たしい。
 朱志香や紗音でも構わないがとにかくベアトリーチェだけは許せないというのが縁寿の微妙な妹心?であった。
 「……んじゃ、とりあえずどこへ行くベアト?」
 「……そうであるな?……『薔薇庭園ステージ』はどうかの、確かお師匠様とロノウェがそこへ行くと言っていたはずだ」
 「ん? じゃあ行ってみっか」
 しかし戦人はそんな縁寿の妹心?に気がつく事もなくそんな事をベアトと言い合っているのだった。



 ルシファーが唖然としているのは目の前に散らかっているハンバーガーの包み紙の数だった、ざっと見ても数十枚はあるがそれらはすべて彼女の主である縁寿が一人で作りだしたものである。
 「くぅぅぅうううううっ! まったくも〜〜〜〜!! お兄ちゃんもあんな女のどこがいいのよぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!?」
 「……縁寿様、あまり食べると太り……!!?…な、なんでもありません!!」
 恐ろしく殺気の籠った眼でにらまれ言おうとした言葉を飲み込むルシファー、縁寿に召喚され一緒に朝食をとるためマックへ来たのはいいがこれでは自分の食事どころではない、しかしこの後のバトルのためにしっかりと栄養補給をしなければとも思うから辛いところだ。
 「……それで縁寿様どちらへ? 戦人様とベアトリーチェ様とバトルに『薔薇庭園ステージ』へ?」
 「当然よ! あの女をギャフンと言わせてお兄ちゃんを取り返すんだから!!!」 
 人が聞いたらいろいろ誤解されそうな事を大声で叫ぶが幸いにも他に客はいなかった……と思っていたのだが少し甘かった。
 「……あらあら〜〜? 相変わらずのブラコンな縁寿ぇ?」
 「……ふぇは・ふぇふぁふぉふぃーふぇ!?」
 「食べながらしゃべんない!! お行儀が悪いでしょうがっ!!!」
 「……ん?…ゴックン……まったく、どうでもいいでしょうがそんな事!」
 口の中のハンバーガーを飲み込んでから文句を言う縁寿、普段は宿敵ぶってるくせに変な所で叔母らしい事を言うものだと思う。
 「あのね、あんたも一応右代宮家のお嬢さんだって自覚を持ちなさいよね……まったく……」
 そう言われてもそんな事は縁寿の知った事ではない。
 「……まあ、どうでもいいわ。 それよりあんたが来たのはあたしと一戦やろうって魂胆でしょう?」
 「……いや、どうでもよくはないけど……まあ、そうね」
 エヴァの背後でにやにや笑うシエスタ410をちらりと見ながらそう言う縁寿にエヴァは少し呆れ顔の答える、小さい時は素直で可愛い子だったのにどうして十八歳バージョンはこうもガサツになるのだろうかと思っていた。
 しかし素直で可愛いい十八歳の縁寿というのも想像出来ないのだった。
 「……ん? 今気が付いたのですがエヴァ様……」
 「何よルシファー?」
 「エヴァ様がここにいたという事はエヴァ様もここで朝食を……?」
 「「「「………………」」」」
 数秒間沈黙が場を支配した……。
 「……そ、そうよ! 悪い!?……へ、へそを噛んで死んじゃえばぁ〜〜〜!!」
 顔を赤くし照れた様な顔で言うエヴァをルシファーは案外この方も庶民派なのだろうか?と思ってしまうのだった。


 『金蔵の書斎ステージ』では紗音&譲治と嘉音&朱志香が対戦中だった。
 「【水月斬】!!!!」
 「甘いよ!」
 嘉音の繰り出す【ブレード】を譲治はひらりとかわし彼の背後にあった甲冑の置物がまっぷたつになる、嘉音はそれに構う事無く譲治へと攻撃を続ける。
 「……むっ!?」
 今度はかわせないと判断し【ガード】する、一回、二回と嘉音の【ブレード】で斬りつけられたところで【ガードタッチ】をした。
 「紗音!」
 「はい、譲治様!」
 譲治の背後に魔法陣が出現し彼がそこに吸い込まれると同時に紗音がそこから姿を現すと嘉音にビンタをした。
 「……くっ!?……朱志香様!!!」
 「たりゃぁぁぁあああああああっ!!!!」
 嘉音も【タッチ】で朱志香と入れ替わり紗音に下段キックをを叩きこむ、不意を突かれた紗音はガード出来ずにバランスを崩し倒れてしまう。
 「【エンチャント】!!! そして【乙女のハートビート】っ!!!!!」
 朱志香の拳に赤い光が宿り、繰り出した鉄拳から紅蓮の炎が放たれ紗音を襲い、ついでに書斎にあった書物にも引火していった。
 「きゃぁぁぁあああああああああああああっっっ!!!!?」
 その一撃で紗音は吹き飛び床に激突、そして全身の力が抜けて起き上がれなくなった。
 「うっし〜〜!! 今日はあたしと嘉音君の勝ちだぜ紗音!!!」
 「……はぁ…はぁ……す、すいません……譲治様……」
 「いや、僕も【ガードタッチ】のタイミングが悪かったよ……どうせ負けるなら僕がやられれば良かったんだしね」
 紗音を責める事無く逆にいたわる譲治に紗音は苦しそうだが嬉しそうに顔を赤らめたのだった、こうして今日の対戦は終わったのだが彼にとってはこれからが大変なのだ。


 「ぬぉぉぉおおおおおおおっ!!!! またかぁぁぁあああああああああああああっっっ!!!!!」
 書斎に戻って来た右代宮金蔵はその惨状に吠えた、装飾品はどれもこれも破損し書物もボロボロになるか黒焦げになっているかというありさまである。
 「バトルをするなら少しは周りに注意しろとあれ程言っておろうがぁっ!! いや、そもそも『金蔵の書斎ステージ』以外の場所でやればよかろうがぁぁぁあああああああああああああああっっっ!!!!!」
 天に向かって怒りの咆哮を上げる金蔵の傍らではすでに源次が黙々と片づけを初めていた。


 ベアトリーチェ邸では煉獄七姉妹――正確にはルシファーを除く六姉妹だが――がお茶菓子を摘まみつつ適当にしゃべり合っている。
 「……それ縁寿様ったら……」
 そう言いかけた次の瞬間にアスモデウスとベルゼブブの姿が消えた、しかし他の姉妹達が驚かないのは縁寿に召喚された事が分かっているからである。
 ちなみにベアトにも同時に召喚されたりタッグを組んでバトル中のルシファーが呼ばれた場合にはどうも『別のカケラ』からも召喚させるらしい、どういう原理かは知らないが七姉妹達はそれを深く考えない事にしている。
「「ただいま〜〜♪」」
 数十秒後にそう言って帰って来る二人。
 「うむ、縁寿様は今日は誰とバトルしていたアスモ?」
 「えっと〜〜エヴァ様と410だったよサタン姉ぇ〜」
 「ほう……」
 今度はサタンが消えた、さらにはレヴィアタンも消える。
 「……まったく忙しい事だな」
 戻って来たサタンはそう言いつつも嫌そうな顔はしない、家具として忙しいのは本懐であると考えるからだ。

 
 「くやしぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっっっ!!!!!!」
 今度はかっぱ寿司で大量の皿の山を作りながら縁寿が叫ぶ、結局今日のバトルはエヴァに敗北したのであった。
 「……いくらなんでもあんな無茶な攻め方じゃ勝てませんよ縁寿様……」
 「……ううううううう……」
 流石に自覚はあるのでルシファーに何も言い返せない縁寿、代わりにコンベアで流れて来た上トロの皿をとりヤケ気味にそれを食らう。 
 何と言うかもし未成年じゃなかったらヤケ酒でもいきそうな感じだなとルシファーは思える。
 「こうなったらベアトの前にエヴァに雪辱戦よっ!!!! ルシファー、明日もいいわねっ!?」
 「……え?……あ、はぁ……」
 「よし! じゃあ景気づけに今日は食べるわよ!!!!」
 右手を掲げてそう宣言する縁寿にルシファーは驚いて目を見開いた。
 「……ちょ…まだ食べるんですか縁寿様ぁぁぁあああああああああっ!!!?」
まるでベルゼブブが乗り移ったかのような縁寿の暴食ぶりに絶叫するしかないルシファーだった。


 蝋燭の明かりが照らす薄暗い部屋にいるのはラムダデルタとベルンカステルとウィラード・H・ライトとそしてロープで縛られ天井からぶら下げられた古戸ヱリカだった。
 「……ううううううう…何故私がこんな目に……?」
 ヱリカの真下には巨大な鍋に入れられたお湯がグツグツと沸騰している。

              ※注 ここは庭園物語とは違うカケラです  

 「……ヱリカのクセに私より先に夢想曲デビューするからよ?」
 「そうねぇ〜〜〜☆」
 冷たい目でヱリカを見上げるベルンと愉快そうに笑うラムダ、壁に寄りか去っているウィルは一応同情的な顔だが特にヱリカを助けようとはしない。
 「……俺達はデビュー確定とはいえアップロード待ちだからな、魔女共が暇つぶしにヱリカをいじるのもやむなしか……」
 「やむなしとか言わないでくださいぃぃぃいいいいいいいいいいいいっっっ!!!!!!」
 ヱリカの悲痛の叫びが部屋に響く、感の良い方ならもうお気づきだろうがここは要するに祭具殿(ヱリカの自宅)である。
 「祭具殿と書いてヱリカの自宅とか読まないでぇぇぇええええええええええええっっっ!!!!!」
 いったい誰に言ってるんだと心の中で突っ込みながらもすぐにヱリカから目をそむける、そして自分が解禁になった時にはとりあえずベルンカステルにEP7の借りを返してやりたいものだと、そう思うウィルだった。
 そしてその数秒後にはバシャンという何かが落ちた水音とヱリカの悲鳴、そして魔女二人の笑い声が祭具殿に響くのだった……。