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この物語はうみねのこなく頃に本編とはまったく別のカケラ世界の物語です、独自解釈キャラやオリジナルキャラも登場します。


   ベアトリーチェの庭園物語 カケラの海のトンデモ大海戦!?編



 
 バアル軍のソード1ことフェリオン率いるのは彼の騎士団百五十名を含むバアル軍およそ二万の兵士、さらにはカケラの外にあるカケラの海からは百隻の艦隊をも使いベアトの庭園を包囲していた。
 バアルがフェリオンに下した命令は”ベアトリーチェの庭園への報復のための軍事行動と、そして可能ならエターナルの捕縛をせよ”だった。
 「……さながらEP8のカケラの再現だな?」
 「気が進まないといった様子ですな?」
 傍らに控えるソード2にそう言われるとフェリオンは苦笑しつつも頷いてみせた。
 「本来ならこんな軍勢で攻め込むような場所じゃねえし、いくらエターナルの事があるとは言え大袈裟すぎるだろ?」
 圧倒的な力と恐怖を庭園の連中に見せつけるためであろうことは分かるがそれでもである、しかし気が進まないのはそれだけの理由ではない。
 「ソード2よ、この戦い勝てると思うか?」
 「……は?……妙な事をおっしゃいますな?」
 ソード2はいったい何を言ってるのだろうとでも言いたげに首を傾げる、この圧倒的戦力差があれば誰であれそういう反応をするだろうとはフェリオンも分かってはいる。
 「とにかくやるからには油断するなよ? 下手すりゃとんでもないジョーカーがとび出すかも知れんのだからな」
 

 普段あればお茶会に使われる白いテーブルの周りをベアトリーチェら庭園の主だったものと時魔女勢が囲んでいる、その表情は不安げであったり緊張していたり様々である。
 「先手を取られたのはちと面白くないが……まあ、これも予想のうちよ」
 「あんたのその余裕がどっから来るのか知りたいわね?」
 この状況においても不敵な顔のベアトにエンジェが呆れ顔で言う。
 「敵の指揮官はソード1のフェリオンか、まさかこんな形で奴と戦う事になろうとはな」
 「フェリオンさん……」
 十夜の言葉に刻夢が不安そうに呟く、これまで何度も助けられてきた彼と戦う事になればそれも当然だった。
 「確かにフェリオンは強いけど大丈夫だよ、彼とはあたしが戦うから」
 そう言いだすエターナルに十夜と宗二が驚いた顔をした、これまで自分の力を積極的に使うのを嫌がてきた彼女が今は自分から戦おうと言ったのだ、その二人の表情に気が付いたエターナルはその理由を話す。
 「あれこれ悩んでたって何も解決しない、あたしの力を狙いあたしの大事な皆に迷惑をかけるようなバアルはあたしがぶっとばす!」
 「くっくっくっくっくっ! よくぞ言ったエターナルよ、そうよ、その意気であるわ!!」
 「……やれやれ、大人になってもやはりお前はエターナという事か……」
 「ま、お前らしいか……」
 ベアトが笑い十夜と宗二は苦笑しつつ互いに顔を見合わせる、そこへ困惑した顔のリリーが話しに入ってくる。
 「ちょ……あなた達は本気でバアルに勝てると思っているんですか!? それ以前にこの絶望的状況をどうやって切り抜けると言うんですっ!!?」
 「……って、そうですよベアトリーチェさんにお姉ちゃん! まずはどうやってフェリオンさんに勝つんですか!?」
 ベアトに詰め寄らんばかりの勢いで叫ぶリリーと刻夢、だがベアトは不敵な顔を崩さない。
 「くっくっくっくっ、決っておろう? 妾の庭園の総力を結集し敵を打ち倒すのであるわっ!!!!……って、しかし何故にお主は戦う前からそんなのボロボロなのだヱリカよ?」
 「我が主の命令で助っ人に来てやった来たらいきなりあんたんとこの家具共にフルボッコにされたんですわっ!!!!」
 うき〜〜〜!!!と叫ぶヱリカ、しかしそれはやむを得ないことである。 何故ならヱリカを見たらとりあえずボコっておけがルシファー達ベアトの家具の合言葉なのだから。
 「……あはははは……ところであなた達は本当にいいのセツナにエクシア?」
 苦笑いしながらエターナルはセツナとエクシアに声を掛ける、庭園の危機ということで駆け付けてくれたがプトレマイオス家の一員であるセツナがバアルとの戦いに加わる事は政治的な問題を引き起こす事になりかねない。 
 「……良くは分からないけど……でも見て見ぬふりは駄目だと思うから……あたしに何が出来るかわからないけど、それでも何かしたいと思ったから……」
 「それでいいのですよセツナ様、この私もセツナ様のため精いっぱい戦います」
 エクシアにはこのセツナの選択が危ういのは分かっているだろう、しかし彼女はあくまでセツナの意思を汲みその決定に従おうというのである。
 「ありがとう二人共、でも安心してね、あなた達に何かするならプトレマイオスだろうが何だろうがあたしがぶっとばすから」
 「安心せい、妾はその辺もきっちり考えておるわ。 さて、では妾の作戦を説明してやろう」  
 ロノウェ達に命じてベアトがあれこれと準備していたのはエンジェも知っていた、普段は何かとケンカしてばかりのこの魔女がどんな策を用意したのかは分からないがこの際頼りにはしてやろうと思う。
 何だかんだでベアトの抜け目なさをエンジェは実力は良く知っているのだから。


 バアル軍艦隊を指揮するジンオ・ガーアッシュが部下からベアトの庭園側から一隻の船がやってきたという報告を聞いた時には思わず嘲笑したものである、百隻対一隻では勝負になろうはずもない。
 しかしその顔はすぐに驚愕へと変わったのはその船から放たれた閃光が一瞬にして数十隻の艦を消滅させたからだ。
 「何なんだ!? いったい何だと言うのだっ!!?」
 「魔法による敵戦艦の映像を出します……な、何だこれは!?」
 映し出された船は彼らの使う木製の帆船とは全く異なる白い鋼の戦艦だった、しかもそれは水上すれすれの位置を飛行しているそれはどう考えてもこのカケラ世界のものではない。
 「……くっ!! 何をしている、全艦攻撃開始しろっ!!!!」
 ジンオーの命令により一斉に砲撃が開始される、だが百を超える大砲から放たれた鉄の砲弾はその白い戦艦の頑固な装甲の前のはほとんど役に立っていない様子だった。


 「すごいものだ、あれが【ハイパー・メガ粒子砲】の威力……シェリーとやらが用意したこのアーガマと言う艦は大したものだ」
 艦長席で多少はしゃいだ様子で言うのは艦長を任された右代宮金蔵だ。
 このアーガマという戦艦は元はこことは違うカケラ世界のエゥーゴという組織が建造し運用していたものだが紆余曲折ありカラバという組織に譲渡された、そして何をどうしたものかシェリーがネットオークションで入手したのである。  
 「……お館様、敵艦からの砲撃来ます!」
 「お館様ではない、艦長と呼べい嘉音! 紗音、アイゼルネ達の準備はどうか?」
 「はい、全機出撃準備完了です、おやか……艦長!」
 ベアトリーチェがこの三人に助っ人を要請した時金蔵は二つ返事で引き受け、彼が受けるとなれば紗音と嘉音に選択の余地はない。
 「……ったく、子供みたいにノリノリなんだからこのおっさんは……」
 紗音が(いろんな意味で)心配で付いて来た九羽鳥庵ベアトことクワトリーチェは副長席でジト目で睨んでいるのを紗音は苦笑し仕事に戻る。
 「アイゼルネ・ユングフラウ+αの皆さん、各自くじ引きで決めた通りの機体で出撃してください!」
 『了解デス……しかしワタシがこんなロボットを操縦する事になろうとは……』
 通信機の向こうのドラノールがぼやいてる間にアーガマのカタパルトに白く頭部に一本角を生やした機体が出てくる、言うまでもないだろうがこの機体を始め今アーガマに搭載されている機体もシェリーのものである。
 『ドラノール・A・ノックス、ユニコーンガンダム行きマスっ!!』
 「次はガードルード機どうぞ!」
 『了解也や!』
 続いてカタパルトに現れたのは一見すると戦闘機のようだったが普通であればコクピットがある機首にその窓はなく装甲も厚そうだ。
 『デルタ・プラス、ガードルード謹んで発進する也や!』
 次のコーネリア機は四枚の羽根を持った緑色の機体。
 『謹んで申し上げる、コーネリア機、クシャトリア発進する也や!』
 そして最後に出撃するのは+αこと古戸ヱリカの機体。
 『誰が+αですかぁっ!!!』
 「ちょっ……誰に言ってるんですかヱリカさん!?」
 『……いえ、何でもありませんわ……と、とにかく古戸ヱリカ、機動戦士Bガンダム(万が一本当にBガンダムが登場した場合改名)発進……って! ちょっと待てやぁぁああああああっ!!! これボールでしょうぉぉぉおおおおおおおおっっっ!!!!?』
 ボールとは一年戦争の時代に地球連邦軍の開発した宇宙用戦闘ポットである、丸い胴体に砲身を付けただけの機体は戦闘力に期待出来ない反面で低コストと生産性の良さで連邦軍の物量作戦の原動力となった。
 そしてBガンダム(万が一本当にBガンダムが登場した場合改名)とはそのボールの胴体にガンダム顔の偽装を施した機体だ、しかしその程度で性能が向上するはずもなくむしろOSに対応出来ない余計な重量の追加により低下してるとも言っていいこの機体でパイロットのウモン・サモンはドムを六機撃墜するという戦果を上げた名機である。
 『長々と説明しったてボールはボールでしょうがこのアホぉっ!! だいたいなんでドラノールがガンダムタイプで私がこの機体なんですのぉっ!!?』
 「……ヱリカさんさっきからどうしたんだろうね嘉音君?」
 「さぁね……僕にも分からないよ」
 「構わん、ヱリカ機を強制射出せよ!」
 金蔵の命令で嘉音はカタパルトを作動させた、ちなみにボールは”宇宙用”戦闘ポットであるからカケラの海世界とはいえ重力下で浮遊出来る程の出力があろうはずもなく……。
 『……ちょ……どひぃっ! 落ちる落ちるぅぅぅううううううううっらめぇぇぇえええええええええええええええっっっ!!!!!』
 憐れBガンダムはヱリカを乗せたままカケラの海に沈んで逝くのだった……。
「何だと!? 鋼鉄の戦艦に巨大ロボットが三機だと!?」
 本陣で指揮を執るフェリオンにカケラの外からの攻撃部隊が襲撃されたという報告が届けられる。
 「ちっ……そんなもんを用意するのはシェリーの奴か、まったくこのカケラじゃ師匠より厄介だぞあのミリオタの魔女め!」
 報告された形状から察するにガンダム世界のカケラの宇宙戦艦と機動兵器――モビルスーツだろう。
 反則で非常識な手を打ってくるというのは想定内ではあるがいきなり他のカケラ世界の兵器である、これではこの先何が飛び出すか分ったものではない。
 「とにかくこっちの陸戦部隊は予定通り攻撃開始、ジンオ・ガーアッシュの艦隊は後退させろ! 宇宙世紀のカケラ世界の兵器相手じゃ勝ち目はねえぞっ!!!!」 


 フェリオンの命令により後退を始めた残存のバアル艦隊は突如として謎の電撃を受け次々と炎上していく。
 「な……何事だ!?」
 「ジンオ様……水中に何か……巨大な生物の群れがいます!!」
 「何っ!!?」
 その時一隻の艦の船底が吹き飛ぶ、どうやらその生物に突進を食らったようだ。 その直後に一瞬だけ海面にとび出したその姿を見たジンオ・ガーアッシュは愕然となる。
 「今のは海竜かっ!?……うぉぉぉおおおおおおおおっっっ!!!!?」
 しかし次の瞬間には後方から追いついて来たユニコーンガンダムのビーム・マグナムの一撃を受けてジンオとその艦――”獄狼竜号”は海の藻屑と化した。

 
 「電撃を放つ海竜だと!?……まさかラギアクルスかっ!!?」
 ジンオ艦隊全滅の報が届けられたフェリオンは驚愕するしかなかったのは非常識なモンスター召喚という事だけではなく、艦隊の退路にラギアクルスを伏せておくという相手の手腕もである。
 「あっちの指揮を執っているのはベアトリーチェか……やるもんだが……それで生存者の救援は!?」
 しかしフェリオンには返ってくる答えは予想出来ていた、そしてソード2はその予想通りの答えを返す。
 「はい、敵の戦艦及び三機のモビルスーツでしたか? とにかくそのロボットが我が軍の生存者の救助をしているらしいと……」
 フェリオンが安堵するのはもちろん味方の心配をするのもあるが、救援活動をするとなれば戦艦ととモビルスーツはしばらくはこちらの戦場には現れないだろうというのもある。
 「良し! こっちの部隊は包囲陣形のまま進撃開始、ソード騎士団は後方待機だ! 文句もあるだろが奴らは何をしてくるか分らん、いつでもどこへでも援護に行けるようにしておけ!」
 「了解しました」
 ソード2が異論を唱えないのはベアトリーチェ達の非常識ぶりを目のあたりにしたからだろう、同時に自分たちならいかなる事態にも対応できるであろうという自信あっての事でもあるだろうが。
 (……まったく、とんだ貧乏くじだな)


 まずは出鼻を挫いたと言ったところかと笑うベアトだがその顔には疲労がうかがえる、【英霊召喚】に加えラギアクルスの群れの召喚は彼女とて激しく消耗する。
 「……まったく、あんたがそこまでするからにはこっちも相応の戦果を見せて見せるしかないじゃない」
 ぶすっとした顔でエンジェが言うのはベアトに負けてはいられないという意地だ、すでに他の者達はそれぞれの配置についベアト軍の本陣とも言うべきこのお茶会場いるのは彼女達とロノウェだけである。
 「くっくっくっくっくっ! やれるものならやってみせいエンジェよ!」
 「……むぅ?」
 どうもベアトに乗せられている様で面白くないが、しかしこれもエターナルのためであると思えば仕方がないと自分を納得させる。  
 「しかし二万の大軍を相手に”非常識”で対抗してみせるお嬢様も大したものですな? ぷっくっくっくっ!」
 「ふん! おだてても何もでんぞロノウェ? だが目の前の敵を倒して終わりではない、妾達はこのままバアルの本国へ攻め込みあやつをとっちめてやらねばならんのだ」
 不敵に笑って見せるベアトだがエンジェは気がついてしまった、この魔女が不敵な仮面の裏で不安に押しつぶされそうになっているのを。 それはバアルという強大な敵を相手に仲間達の命を預かる指揮官としての役目を背負ってしまっているからだろう。
 「まあ、いいわ。 後はあたし達に任せてあんたはお茶でも飲んでなさい、二万の軍隊だろうが軽く蹴散らしてきてあげるわよ!」
 「ほほう? 言いよるわい、ならそうさせてもらおうかのぉ?」
 「そうしてなさい、【天使の飛行翼(エンジェリック・ウイング)】!」
 エンジェは背に魔法の光に翼を出現させそれを二、三度羽ばたかせて舞い上がる、そして戦場へと向かい飛ぶのだった……。 

<続く>