うみねこのなく頃にEpisodeEX-Grief of goldenwitch- U

この物語はうみねこのなく頃に散 EP7のネタバレも含まれております。
ネタバレ対応期間が終わるまでは反転として記載させていただきますので、ご了承ください
また、この物語は私のオリキャラが主役ですので、苦手な方もご注意ください。

数多あるカケラの一つ、六軒島へようこそ
小さな黄金の魔女共々、皆様には最期のゲームを楽しんでいただきたく存じます
ゲームマスターは漆黒の髪の魔女、このゲームの勝者は果たしてどちらになるのか

難易度はもはや計測不能、挑む、というよりもこの物語を最期まで観劇いただけるだけで私は満足です。



シュリ「・・・外道、ですね」
ベルン「クスクスクス・・・・何とでも言えばいいわ。アンタの相手は、この古戸ヱリカよ。」

そう言ってベルンカステルがヱリカが座る椅子にもたれかかる

ヱリカ「・・・・・」

だがヱリカはピクリ、とわずかな反応を示しただけで何もしゃべろうとしない。
否、今の彼女はかつてEP5でベアトリーチェが陥ったように魂のない人形と化していたのだった。

319「下位世界の駒さえ戦える状態であればいい、ということか・・・」
453「そもそも、ヱリカ卿はEP6で主であるベルンカステル卿に捨てられたも同然、それを無理やり復活させたから・・・」
ベルン「・・・チッ。私も好きで使えない駒なんて使うんじゃないわよ、これで満足でしょう?セイント」

観覧席に向けてベルンは不機嫌そうな顔を向ける。しかしそれでも観覧席のセイントは満足そうな表情でニヤニヤと笑みを向けていて

セイント「うむ。私はそれで満足であるぞ、上位のはただのお飾りで結構だからな。くっひひひひ」
シュリ「相変わらず身勝手なババァね。・・・それで?ベルンカステル卿。これ以上のはないのですか?」
ベルン「ええ、これ以上はないわ。さぁ!!六軒島よ、嵐によって閉ざされなさい!!」

ゲームマスター、ベルンカステルの呼びかけにより、盤上の六軒島は嵐によって閉ざされた大きな猫箱となったのであった。


【六軒島への招待】

朱裡「こ・・ここは」

ぼんやりとした頭の中、朱裡は目を覚ました、激しく揺らぐ波と男性達の声。
どうやらそこは船の上のようだった。
そこに見知らぬ男性が近づいてくる。

男性「すまんな、姉さん、それにお壌ちゃんも、この海の荒れ具合だがもう少しで本土の方に帰れるから、そこまで辛抱しとってくだせえ」
朱裡「い、いえ・・・私は大丈夫です・・・」

男性は朱裡のことを肝っ玉のすわった姉ちゃんだ、と笑うと再びエンジンの具合を見に行く
其の背中には「エターナルマーメイドU」と書かれていた。」

朱裡「・・・何が、どうなっているのかしら・・・」

シエスタ321の説明によれば自身が行くべき場所は六軒島だと聞いていた。だが今は船の上
それに男性は本土と言っていた、それでは島に行けないのでは、と不安に思っていたのである。

???「クッ・・・クククッ・・・・」

突如不気味な笑い声がして朱裡はギョッとする、見れば隣にいつの間にか少女が座っていた。

朱裡「(そうか、さっきの男性は私と彼女のことを言っていたのだわ・・・・)
大丈夫ですよ、もうすぐ陸の帰れますから、ね?」

少女も怖いのであろうと勝手に解釈した朱裡は大人な部分を見せようとニッコリと微笑みかけ、少女を安心させようとその手を握ろうと手を触れさせた
・・・・だが、次の瞬間、変わりに自分の頬に痛みが走る。
数秒遅れて自分がその少女に平手打ちを食らったのだと理解する

朱裡「な・・・・あっ・・・」

突然のことに口をパクパクとさせるしかない朱裡
しかし、その少女は恐ろしい形相で朱裡を睨むのであった。

ヱリカ「・・・・勝手に私に触らないで貰えますか?」
朱裡「ご、ごめんなさい。そういうつもりじゃ・・・」
ヱリカ「アンタみたいな温いニンゲンが何故このゲームに参加するのか私にはわかりかねます。しかも魔女の手先だなんて愚の骨頂ですわ」
朱裡「わ、私だって好きでこのゲームに参加しているわけじゃ・・・!!」
ヱリカ「そうですか、では勝手に帰ってください。私は行かなければいけませんので」
朱裡「へ?あっ・・・何処へ、ですか?」

いきなりのことすぎて朱裡が聞けるのはそこまでだった
だが、ヱリカはそれに盛大にため息をつき

ヱリカ「何処って、六軒島ですよ。そこがゲームの舞台なのですから、行くしかないです」
朱裡「い、行くって!!今は嵐の真っ只中ですよ!?危険です!!」
ヱリカ「・・・でもいかなければいけないのですから、ここで立ち往生してる暇はありません。では、また後で」

そういうとヱリカはエターナルマーメイドUから荒れている海へとダイブするのであった。
その水しぶきの音に慌てて先ほどの男性が駆け寄ってくる。

男性「な、何事だ!?」
朱裡「ご、ごめんなさい。オンナノコが・・・」
男性「なんだって!?チクショウ、よりによってこんな日にぃ!!だから嫌だったんだよ、くそぉぉぉ!!」

荒れ狂う海のように男性もまた怒りなのかそれとも後悔なのか、荒れていた。
朱裡は先ほどの少女が消えた波の部分を見る、だがもうそれは嵐によってかき消され、どうともならない。
そして今は見えぬ六軒島があるであろう方向を見据える、そして・・・

バシャーン!!

彼女もまた、荒れ狂う波の中へと姿を消したのであった。



ベルン「と、まぁ。ここまではいいかしら?」
シュリ「良いも悪いも、そもそもゲームはまだ始まってすらいません」
ベルン「クスクス、そうだったわね。無論、二人とも無事に六軒島に辿り着ければの話だけれど」
シュリ「なっ・・・二人が辿り着かなきゃゲームが始まらないではないですか!!」
ベルン「そうなったらそうなったで別の手を考えるまでよ。私は今回の駒に奇跡は与えてないから」

ゾッとするほどの冷たい笑みを浮かべるベルンカステルにシュリは凄まじいものを感じる
そのとき、クスクスと観覧席にいたセイントが笑う

セイント「何を焦っておるのだ?我が茶葉よ。」
シュリ「煩いわね、声をあげるんじゃないわよ、観客の癖に」
セイント「クックックッ、それはすまぬ。つい口出しをしたくなる性分なのでな」
シュリ「・・・チッ。とにかく、次の場面に移してください。ベルンカステル卿」
ベルン「ええ、わかったわ。そうさせてもらおうかしら」


朱裡「う・・・・ん・・・」

気が付くと朱裡は海岸の場所にいた。
まだ嵐は止まずにおり、冷たい雨が体に叩きつけるように降り注ぐ

朱裡「こんなところに流されるなんて、これも奇跡というヤツかしら
・・・っ」

独りでに呟くが雨と海水のせいで身震いをする朱裡
すると背後で足音がし、バッと振り返る

真里亞「うー、お姉ちゃん。大丈夫?」
朱裡「え・・・ええ、だいじょ・・・クシュンッ」
真里亞「ちょっと待ってて
譲治お兄ちゃーん、こっちにも人がいるのー!!」

真里亞は大声で手を振ると数人バタバタと駆け寄ってくるのが見えた。

譲治「本当だ!朱志香ちゃんっ、源治さん達に連絡を。それとできれば女性用の服も用意するように伝えてくれるかい?」
朱志香「わかったぜ!って戦人!お前も私と一緒に来るんだよ!!」
戦人「ちょ、俺もかよぉぉっ」

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シュリ「ようやく六軒島到着、ですか。ではとりあえず最初の確認だけさせてもらいますね。
朱裡とヱリカを見つけたのは真里亞、譲治、朱志香、戦人の四人である。」
ベルン「・・・ええ、いいわよ。朱裡とヱリカを見つけたのは譲治、真里亞、戦人、朱志香のよ・・・
ゲホッ、なん・・・ですって?」

突然ベルンカステルがむせ返る、どうやら真実の赤が正しく作動しないようだ

シュリ「何の真似ですか?ベルンカステル卿。復唱できないのなら他にも発見者がいるのでは?」
ベルン「違うわよっ!たしかに発見するのは譲治、真里亞、朱志香、戦人のよ・・・
ゴホンッ!なん・・・で言えないの・・・?」

ラムダ「どういうこと・・・?ベルンのゲームなのにベルン自身が把握できてないとでも言うの・・・?」
セイント「まさか、とは思うが。このゲーム何かが紛れ込んでいるとしか言えないであろうな
ベルンカステル卿、次の場面に進めさえばこの筋が見えてくるはずだ、進めると良いだろう」

セイントの言葉どおりに従うのは癪だとベルンは表情を歪ませたが理解できないよりはとゲーム盤の時間を進めることにした。


朱裡「六軒島・・・?ここがですか?」
熊沢「ええ、そうですとも。右代宮家が個人所要する島でございますよ、ほっほっほ」
朱裡「はぁ・・・あ、いたっ」
熊沢「申し訳ありません。急遽用意させたお召し物ですのでサイズが合わないかもしれませんねぇ」
朱裡「い、いえ。こうして着替えをいただけるだけでも充分です。えっと・・・熊沢さん・・・でしたっけ?」
熊沢「ええ、熊沢チヨと申します。お見知りおきくださいませ」

夏妃「熊沢、お客様の着替えは済みましたか?」

ドアの向こうで一人の声がする。
熊沢「ええ、ご用意できておりますよ、奥様。お入りくださいませ」

ガチャリ

夏妃「ようこそ、六軒島に。右代宮家当主代行、右代宮蔵臼の妻、右代宮夏妃です。
どうぞお見知りおきください。」
朱裡「えっ・・・あ、はい。加宮朱裡と申します。この度は助けていただきありがとうございます。」
夏妃「助けたのは子供達です。それに・・・伊の先に気づいたのはこの子ですので、お礼でしたらこちらにお願いいたします。
ほら、お入りなさい、お客様にご挨拶を」

すると、ドアの向こうから姿を現したのは
流れるような金髪、色の白い肌、黒色の瞳に女とも見間違うほどの美貌をたたえた青年であった。

理御「初めまして、私は右代宮理御と申します。どうぞお見知りおきを」